元来犬という動物は大昔より人との深い交わりを持ち、常に人間社会の中で友達としてのポジションをキープしてきた動物です。原始時代の壁画をはじめ、東西を問わずいろいろな資料にも書き残されているのを見た覚えもあろうかと思います。

このようにして、犬と人間との共存生活は古くからの長い歴史の中で築き上げられ現在に至っていると言っていいでしょう。今ではペットブームという事もあって、隣近所を見渡しただけでも数多くの飼い犬が見られます。しかし半面で心無い管理者によって数多くの子犬が処分されているのも事実です。各家庭で飼われている動物の全てが幸せではないかもしれませんが、それぞれにその人生を一生懸命生きている事と思います。

年とともにペット事情も変わることも確かですが、最近の保健所に持ち込まれる血統書付と
いわれる犬の多い事に驚かされます。
また、そういった子達を里親として引き取りに来られる方もいることはいるのですが、ただ子供が欲しがっているので何か犬を飼いたいとか、哀れに思い自分の事情も考えず簡単に引き取っていってしまう人などもいます。
里親を探してやりますからといってただたらいまわしにされる子もいれば、若い牝犬などは、そのまま繁殖に使われてしまう子もいると聞いています。

最近聞いた話ですが、犬を飼っているのですがほとんど繋がれっぱなし、餌や水も三日に一回位、寂しさもあって昼夜関係無くよく吠えるようになっていた子をかわいそうに思い、隣の方が毎日餌をやり、水を変えながら三年くらい面倒を見てやったそうです。しかし、飼い主もたいした礼を言うわけでもなくたまに会えば軽く挨拶をする程度、子供はたまに遊んでいたようですが、一週間に一度位でもその犬は喜んではしゃいでいたそうです。
しかし、管理の悪さもあってか若くしてなくなってしまったそうです。

最近では共稼ぎが当たり前、子供も塾や学校の毎日でそれぞれに忙しく暮らしているの普通です。しかし、このような動物との生活の中で育った子供さんが、成長の中で人に対する思いやりや愛情の感じ方、伝え方をどのように学習していくのかと思うと考えさせられます。
ところが、この飼い主が一ヶ月もたたない内にまた子犬を持ってきて繋いであるというではないですか。
これを聞いた時はあきれたというより腹立たしさと怒りさえ感じました。何を目的に、どのような尺度で動物を飼おうと考えるのか。・・・・?

人はそれぞれいろいろな生き方、考え方があって当然とはいうものの、自分だけではなく周りの人への影響も少しは気にして欲しいものです。

この例は、躾どころかそれ以前の問題ですが、多かれ少なかれこのように飼えなくなったからと言って保健所やセンターに持ち込まれる犬達は、何か問題を持った子が多いようです。よく吠える子、人に噛み付く子、臆病でただ隅の方で静かにしている子など、人間にとって都合が悪い子達が多いと思います。もともとそのような子として生まれてきたはずがありません。もちろん犬種による性格の違いや、能力、気質の違いは多少ありますが、そのほとんどは飼われた環境にあります。
犬は従順です。しかし人間にとってただ都合のよいことばかりだけではありません。人間社会の中で、そのルールを守って共存していくには必ず必要なことがあります。その家庭によっていろいろな飼い方はありますが、最低限他人に迷惑を掛けない事。多少噛み付こうが、家の中でわんわん吠えようが、家の中で走り回ったり、いたずらをしようが、他人に迷惑を掛けず、家はかわいいからこれでいいとすればそれはそれで一つの飼い方であることも確かです。ただ現実に、どこに行ってもいい子だね、かわいいねといってもらい、鼻高々とは言わないまでもかわいさが倍増することも確かです。

ここではこうあったらベターだという話をしますので、その家庭に合った部分を実行してください。