待ても前項と同じくその家庭で言い安い言葉を決めてください。このマテは座れと連動して一つの動作として教えると簡単です。すわれを教えるにもなかなか静かに待てないのが普通ですので、すわれの形が出来たら首の後ろを軽くつまみながら手のひらを顔の前に当てて「待て」の命令を出します。はじめは嫌がって動きたがりますが繰り返しやっていくうちに出来るようになりますので、これが出来たらフードを前において同じことをやってみましょう。

この「待て」はこれからの躾、訓練の上で絶対必要なコマンドになりますので中途半端な教え方ではなく、確実に覚えさせて下さい。はじめは5秒でも10秒でもいいですが、少しづつ長くして最低5分は待てるようになれば安心です。ただ。出来るからといって面白半分に長い時間待たせたり、ゲーム感覚で遊んだりするのはどうかと思いますのでご注意を。WANは一生懸命待っているのですから貴方も一緒に我慢して頑張りましょう。

もう一つここで大切な事は「コマンド」と「リリースコマンド」の事です。つまり座れ、待て、のコマンドの命令に対し命令の解除をしてやる事です。食事の前に座れ、待て、をさせて1分待たせたとすると、必ず「OK」、「よし」、のコマンドを与え命令の解除をしてやる事です。この中で待って我慢する事ではじめてご褒美をもらえることを印象付けます。命令の中で自分が束縛される事に馴れさせておく事もこれからの共同生活を過ごす上で大切になります

食事中の犬に手を出して噛みつかれた。お菓子をぶら下げていた子供に犬が飛びついた。等良く聞く事例ですが仔犬のときからはっきりと躾てください。フードやおやつを手に持って座れ、待て、のコマンドを与え、静かに目の前で手を開きます。手のひらにのったフードを見てすぐに口を出してきますが「待て」をもう一度かけ、自分に集中させ、静かに待てたら必ず「よし」のコマンドを与え解除してやります。食事の時など出来るだけ早い時期から人間に与えてもらっている事を認識させると共に、食器に手を入れても平気でいられるよう毎日の生活の中で教えて下さい。ただし、食器に手を出しただけで飼い主に対してもうなり声を出して威嚇するような、自分の世界(アルファー化、アルファーシンドロームが出来てしまっているWANについては必ずプロのトレーナーの方に相談して指導方法を確認してください。